○日吉津村空家等の適正管理に関する条例
令和7年3月21日
条例第7号
(目的)
第1条 この条例は、空家等の適正な管理に関し必要な事項を定めることにより、空家等が管理不全な状態になることを防止し、村内の防災・防犯の確保及び生活環境の保全を図り、もって安全で安心なまちづくりの推進に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この条例における用語の定義は、次の各号に掲げるところによる。
(1) 「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
(2) 「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
(3) 「管理不全空家等」とは、空家等が適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれがあり、次のいずれかの状態にあると認められる空家等をいう。
ア 老朽化、台風又は地震等の自然災害により、建築物が倒壊、建築物に用いられた建築材料が飛散又ははく落することにより、当該建築物の敷地外において人の生命若しくは身体又は財産に被害を与えるおそれがある状態
イ 建築物に不特定の者が侵入することにより犯罪が誘発されるおそれがある状態
ウ 建築物の敷地内にある樹木又は雑草が放置されたことにより繁茂又は野生動物の侵入等、当該敷地の周囲の生活環境の保全に支障を及ぼす状態
(4) 「所有者等」とは、村内に所在する空家等を所有し、又は管理する者をいう。
(5) 「村民」とは、住民のほか、村内で働く者、学ぶ者、活動する者並びに村内に土地又は家屋を有する者をいう。
(所有者等の責務)
第3条 空家等の所有者等は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適正な管理に努めるものとする。
(村民の責務)
第4条 村民は、管理不全空家等があると認めるときは、速やかに村にその情報を提供するよう努めるものとする。
(空家等の有効活用)
第5条 村が村民から情報提供を受けた場合は、当該空家等の確認を行うとともに、特に、利用価値が認められる場合には、所有者等に対して空家等の有効活用を促すなど、その再生に努めるものとする。
(調査)
第6条 村長は、第4条の規定による情報の提供があったとき又は適正な管理がされていない空家等があると認めるときは、当該情報の提供に係る空家等又は当該適正な管理がされていない空家等の管理の状況について調査をすることができる。
2 村長は、前項の規定による調査を行う場合において、必要があると認められるときには、その職員若しくはその委任した者に、空家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる。
3 村長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。
4 第2項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
2 村長は、前項の規定により特定空家等を認定したときは、特定空家等認定台帳に記載するとともに、当該特定空家等の所有者等に対し、その旨を通知しなければならない。
3 村長は、前条の規定による調査をしたにもかかわらず、当該所有者等の特定ができないことにより、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、規則で定めるところにより、公示するものとする。
2 村長は、前項の規定により管理不全空家等を認定したときは、管理不全空家等認定台帳に記載するとともに、当該管理不全空家等の所有者等に対し、その旨を通知しなければならない。
3 村長は、第6条の規定による調査をしたにもかかわらず、当該所有者等の特定ができないことにより、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、規則で定めるところにより、公示するものとする。
(勧告)
第10条 村長は、前条の規定による指導を受けた空家等の所有者等が正当な理由がなく当該指導に従わないときは、当該空家等の所有者等に対し、相当の履行期限を定めて空家等の適正な管理のために必要な措置を講じるよう勧告することができる。
(命令)
第11条 村長は、空家等の所有者等が前条の規定による勧告に応じないときは、当該所有者等に対し、相当の履行期限を定めて必要な措置を講じるよう命令することができる。
(公表)
第12条 村長は、前条の規定による命令を行ったにもかかわらず、当該所有者等が正当な理由なく命令に従わないときは、当該所有者に通知し、規則で定めるところにより、公表するものとする。
2 村長は、前項の規定により公表するときは、あらかじめ当該所有者等に意見を述べる機会を与えなければならない。
(緊急安全措置)
第13条 村長は、空家等の管理不全な状態に起因して、人の生命若しくは身体又は財産に危険が及ぶことを避けるため緊急の必要があると認めるときは、当該空家等の所有者等の負担において、これを避けるために必要最小限の措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。
2 村長は、前項の措置を講じたときは、当該空家等の所在地及び当該措置の内容を当該空家等の所有者等に通知をしなければならない。
3 当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、規則で定めるところにより、公示するものとする。
4 第1項の措置を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(警察署長に対する要請)
第14条 村長は、緊急の必要があると認めるときは、村の区域を管轄する警察署の長に、前9条の規定による助言、指導、勧告、命令及び公表の内容を提供し、当該空家等の管理不全な状態を解消するために必要な協力を要請することができる。
(民事による解決との関係)
第15条 この条例の規定は、管理不全な状態にある空家等の所有者等と隣人その他当該空家等が管理不全な状態であることにより被害を受けるおそれがある者との間で、民事による解決を図ることを妨げるものではない。
(代執行)
第16条 村長は、第11条の規定による命令を受けた者が、当該命令に従わない場合において、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより自ら所有者等のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをなさしめることができる。この場合、その費用を当該空家等の所有者等から徴収することができる。
2 前項の代執行の執行責任者は、その身分を証明する証票を携行し、要求があるときは、これを提示しなければならない。
(空家等対策委員会)
第17条 前条の規定に基づく代執行の実施の是非及び方法について審議するため、規則で別に定めるところにより、日吉津村空家等対策委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 村長は前項の規定による委員会の決定を尊重するものとする。
(支援)
第18条 村長は、第1条に規定する目的を達成するため、空家等の所有者等が助言、指導、勧告又は命令の内容を実現する上で必要な支援を行う。
(その他)
第19条 その他必要な事項は村長が別に定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。