資料の一部を紹介します
収蔵する資料は約1400点
農業、生活用具、民俗行事など明治から昭和期の人々の生活を支えたもので、そのほとんどが村民の協力を得て集められました。
特に昭和30年代以降、いちじるしい経済発展のもと、日々の中で使うものは新しい素材にかわり、電気製品が登場するなど人々の暮らしは大きく変化していきました。次第に使われなくなったものは「道具」としての役目は終えましたが、暮らしの中に受け継がれてきた知恵や工夫を後世に伝える『歴史』の道しるべとして、資料館に保存・展示しています。
人力、牛や馬などの畜力で動かす道具『踏み車』
水路がまだ整備されていなかった頃、川と田んぼの高低差があるところで使った道具です。写真のように水車の羽を踏み込んで、低い川からでも田んぼへ水を揚げることができました。
踏み車
暮らしを支えた綿栽培~明治・昭和期の産業~
砂地を利用した「綿作」は、日吉津村では明治期に全盛期を迎えました。
資料館には綿栽培に必要な道具が一通りそろっています。綿用の人力の犂(すき)『溝きり』、水やりの道具『水汲桶』、収穫した綿をつめこんでもこぼれないよう口がすぼまった形の『綿かご』などを展示しています。
綿の栽培道具
暮らしを彩るもの 『絣(かすり)』
綿を糸にし、その糸を染めてさまざまな模様を織り出す『絣』。織るのは女性で、稲の収穫が終わるころからの冬仕事でした。家族の着物はその家で織り出していたそうです。
絣
暮らしを彩るもの 『筒描(つつがき)』
『筒描』とは、筒に入れた米糊をしぼり出しながら模様を描き、藍で染め抜くものです。
松竹梅や鶴亀などおめでたい模様と家紋を組み合わせた風呂敷は嫁入り道具の一つでした。
筒描(つつがき)