○日吉津村議会基本条例

平成29年3月21日

条例第17号

前文

日吉津村は、明治22年の町村制施行以来、単独で村政を維持してきました。

平成12年4月の地方分権一括法の施行により、村の自己決定権が拡大していく中、議会の果たす役割もますます重要となってきています。

村では平成21年4月、日吉津村自治基本条例を施行し、村民・議会・行政の基本的なあり方について定めたところであります。

議会は、二元代表制のもと執行機関と健全な緊張関係を保持しながら、最高の意思決定機関として、立法機能及び監視機能を発揮するものであります。

そのためには、村民への情報公開の徹底、村民意見の把握に努めることが必要であります。

議会は、村民福利の増進を目的に議員活動を行うという意識改革と、議会に関する基本的事項を定め、議会運営及び議員活動の最高規範として、この条例を制定します。

第1章 目的

(目的)

第1条 この条例は、日吉津村議会(以下「議会」という。)の基本理念、活動原則並びに議会及び議員に関する基本的事項を定め、議会活動の活性化を図り、村民が生きがいを持ち、安心して暮らせるまちづくりに寄与することを目的とします。

第2章 議会及び議員の使命

(議会の使命と役割)

第2条 議会は、村民の意思を代表する議決機関であり、村民の意思の的確な把握と活発な議論を通じて、政策立案及び政策提言(以下「政策形成」という。)並びに行政のチェックという二つの使命を果たさなければなりません。

(情報公開)

第3条 議会は、情報の公開に努め、公正で透明性のある活動を進めなければなりません。

(説明責任)

第4条 議会は、議会運営、審議内容及び議決結果について、村民に対し説明責任を果たさなければなりません。

(議員の使命と役割)

第5条 議員は、議会が言論の府であることを深く自覚し、議員相互の活発な議論に努めなければなりません。

2 議員は、自らの資質の向上や政策形成能力を高めるために、不断の研さんと調査研究に努めなければなりません。

3 議員は、多様な村民の意見や実態の把握に努めるとともに、村民福利の増進を目指して活動するものとします。

(危機管理)

第6条 議会は、大規模災害など不測の事態から村民の生命、身体、財産並びに生活の平穏を守るため、日頃から村長その他の執行機関(以下「村長等」という。)と連携し、総合的で機動的な危機管理体制の整備に努めるものとします。

2 大規模災害などの不測の事態の発生にあっては、議員は地域で必要な災害時支援に可能な限り参加するとともに、被災状況、村民の意見及び要望を把握し、必要に応じて災害対策本部へ連絡するものとします。

3 議長は、議会が統一的かつ効果的に活動する必要があると判断する場合は、議員を招集することができるものとします。

(会派)

第7条 議員は、議会活動を行うため、政策について同じ理念を有する議員で構成する会派を結成することができるものとします。

2 会派は、議会運営及び政策形成に関し、必要に応じて会派間の協議を行い、合意形成に努めるものとします。

3 議会は、その運営において、会派に属さない議員の意見も尊重するものとします。

(議員の政治倫理)

第8条 議員は、高い倫理性を保持し、誠実かつ公正に職務を遂行しなければなりません。

2 議員の政治倫理に関する必要事項は、別に条例で定めるものとします。

第3章 村民との関係

(会議の公開)

第9条 議会は、本会議のほかすべての会議を原則公開するものとします。

(村民参加)

第10条 議会は、村民が村政や議会活動へ参加できる機会の充実を図るものとします。

2 議会は、審議事項に関する村民意見及び専門的知見の把握のため、必要に応じて公聴会の開催及び参考人の招致を行うものとします。

3 請願及び陳情は、村政への村民参加の重要な場として、適切かつ誠実に取扱い、必要に応じて意見陳述の機会を設けるものとします。

(意見交換会)

第11条 議会は、村民意見の把握、議会報告などのため、多様な形で適時意見交換会を開催するものとします。

(議会広報)

第12条 議会は、議事録、議会報、ケーブルテレビ、ホームページなど多様な手段を活用して議会活動を村民に周知し、多くの村民から議会や村政に関心が持たれるよう広報に努めるものとします。

第4章 村長との関係

(緊張関係の保持)

第13条 議会と村長等との関係は、その立場及び機能の違いを踏まえて、緊張感のある関係を保持しなければなりません。

2 議員は、法令又は条例等で定める以外、村長の諮問機関に就任しないものとします。

(論点の明確化)

第14条 議員は、論点を明確にするため、本会議における質疑及び質問を、一問一答方式で行うことができるものとします。

2 村長等は、本会議や委員会において、議長又は委員長の許可を得て、議員の質疑又は質問に対し、論点を明確にするため問い、意見を述べることができるものとします。

3 議員は、一般質問をする場合には事前に通告し、村長等も答弁書を質問議員に提出するよう努めるものとします。

(重要政策等の説明及び審議)

第15条 議会は、村長等が提案する重要な政策、計画、施策、事業等(以下「重要政策等」という。)について、次に掲げる事項の説明及び資料の提出を求めることができるものとします。

(1) その実施を必要とする背景と目的

(2) 他の自治体と類似する政策などとの比較検討

(3) 政策形成過程での村民参加とその内容

(4) 総合計画又はその他の計画との整合性

(5) 関係法令等

(6) 財源措置及び将来にわたる費用対効果

2 議会は、予算・決算の審査において、村長等に対し、第1項の規定に準じた施策別又は事業別の説明資料を求めることができるものとします。

(議決事件の追加)

第16条 議会は、地方自治法第96条第2項の規定に基づき、必要な事件を議決事件として追加することができるものとします。

2 前項の規定により追加する事件については、別に条例で定めるものとします。

第5章 議会機能の強化

(議員間討議及び合意形成)

第17条 議会は、議会の機能を発揮するため、議員相互の自由討議を促進し、議会としての合意形成に努めるものとします。

(議会改革の推進)

第18条 議会は、村政の課題に適切かつ迅速に対応するため、さらなる議会改革を推進するものとします。

(広域政策への取組)

第19条 議会は、近隣市町と共通する課題の解決を図るため、連携して広域政策への取り組みに努めるものとします。

(調査研究機関の設置)

第20条 議会は、村政の課題に関する調査及び検討のため、必要に応じて専門的知見を有する者で構成する調査研究機関を設置することができるものとします。

2 議長は、必要により議員を参加させることができるものとします。

(議員研修の充実)

第21条 議会は、議員の政策形成能力の向上を図るため、様々な機会を捉え、議員研修を実施するものとします。

(議会事務局の強化)

第22条 議会は、議会の形成能力の向上及び議会の円滑かつ効率的な運営のため、議会事務局の調査機能及び法務機能の充実に努めるものとします。

(議会図書室の整備)

第23条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の整備充実に努めるものとします。

(予算の確保)

第24条 議会は、円滑な議会運営、議会活動及び議員活動の充実を図るため、必要な予算の確保に努めるものとします。

第6章 議員定数及び議員報酬

(議員定数)

第25条 議員定数は、議会機能の確保、強化の観点に立ち、村政の現状、将来見通し、村民の意見などを総合的に判断し決定するものとします。

2 議員定数は、別に条例で定めるものとします。

(議員報酬)

第26条 議員報酬は、本村の財政状況、議会機能の確保、村民の意見などを総合的に判断し決定するものとします。

2 議員報酬は、別に条例で定めるものとします。

第7章 最高規範性

(最高規範性)

第27条 この条例は、議会における最高規範となるものです。

2 議会に関する他の条例等の制定又は改廃に当たっては、この条例との整合性を図らなければなりません。

3 議会は、議員にこの条例の理念と内容について、議員の任期開始後速やかに研修を行わなければなりません。

第8章 補則

(条例の見直し)

第28条 議会は、2年ごとに、条例の目的が達成されているか検証し、必要に応じてこの条例の見直しなど適切な措置を講じなければなりません。

2 検証と見直しに当たっては、村民の意見を聴く機会を設けるものとします。

3 議会は、第1項の規定にかかわらず、必要と認めるときはこの条例の見直しを行うものとします。

(その他)

第29条 この条例の施行に関し、必要な事項は別に定めるものとします。

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日から施行します。

(経過措置)

2 第13条第2項に定める諮問機関への就任については、現に任期中にある場合はこの限りではありません。

日吉津村議会基本条例

平成29年3月21日 条例第17号

(平成29年4月1日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成29年3月21日 条例第17号